◆ AutoCAD作図支援
- AutoCADは、非常に使い難いと感じられる方が多いようです。汎用性を目的とした自由度が、初心者に使い難いと感じさせていると思われます。ただ使い込むと、徐々に手に馴染んできます。このページを覗いたのを機に、チャレンジしてみて下さい。
- さて本年2020年6月までは、2017年4月から使用を始めたAutoCAD2017R(永久ライセンス版)を頑なに使用し続けてきました。しかしながら、AutoCAD2018形式のファイルを受け取ることがさすがに多くなり、本年7月に最新版のAutoCAD2021LT(サブスクリプション版)を導入しました。本バージョンでは、クラシックメニューそのものは無くなっても、旧来のカスタマイズ可能なUIをほぼ復元できる仕組みは残っています。その結果リボンメニューをほとんど非表示にして、ツールバーのメニューアイコンを多用しています。
- 入門者・初級者向けには旧版で作成した、AutoCADでの 図化説明方法 を是非覗いてみて下さい。
◆ AutoCADを本格的にご使用の方に
- AutoCADのアプリケーション群は多くのメモリを消費するようです。レギャラー版(以下R版)は2008から、LT版は2009から、64bit対応アプリになっています。インストールするPCのOS環境は、メインメモリを8GB以上に増設した64bit環境が望ましいです。
- 他のアプリケーションを同時起動中に動作が重いと感じた場合には、他のアプリを終了してAutoCADも再起動することをお薦めします。それでも改善されない場合はマシンの再起動が必要で、他のアプリの同時使用は可能な限り避けましょう。
- 大きく重いDWGファイルを開く場合には、ツール、オプション、システム、レイアウト再作図オプションで、オプションボタン「レイアウト切り替え時に再作図」を押しておいて下さい。モデル空間とペーパー空間の切り替え時に時間を要しますが、動作が安定します。
◆ ラスター地形図取扱
- 地質調査結果の取りまとめ図面として、まだまだラスター図面を取り扱う機会は少なくないでしょう。1/5000の森林基本図、1/2500都市計画図、1/1000道路台帳など。そこでは主にモノクロ画像の白図として管理されいる場合が多いと思われます。
- そのファイル形式は拡張子がTIFの画像ですが、TIFFG4(CCITT)といってモノクロ2値高圧縮の特殊な画像です。業界標準ではありますが、読み込みはできても書き出しができないイメージソフトが多いので要注意です。ファイルサイズが小さい割に精緻な地形図として使用することができます。
- このTIFFG4画像はAutoCAD上では、外部参照で組み込んで使用します。このラスター地形図は白地部を透過設定にできることができ、重ね合わせをする場合などに重宝します。また背景地形図を控えめな灰色に設定することも可能です。
- 具体的な操作方法についてはプルダウンメニューか、こちらの リンクボタン からアクセスして下さい。
◆ JGD2000測量図
- 最近では現地測量をトータルステーションで行い、地形情報をベクトルデータとして収録します。その成果を測量CADから吐き出させて、調査や設計に供することができる平面図が容易に入手できるようになっています。
- 測量CADが収録したデータはあくまで、国土地理院で規定されたJGD2000(公共座標・平面直角座標系)準拠のデータ群ですが、吐き出されたCAD平面図には、測量CADの変換オプションの設定内容により各種各様の図面が生成されることになります。
- 印刷された状態のままのデータであったり、図面の上が必ずしも北方向とは限らない場合もあるので、CAD平面図データの縮率と単位および方位とをしっかり把握する必要があります。
- 具体的な操作方法についてはプルダウンメニューか、こちらの リンクボタン からアクセスして下さい。
◆ ビューポート内処理
- AutoCADには原寸大でデータ群を配置できる仮想半無限のモデル空間と、データ群をある縮率調整して表示させるリアルなペーパー空間とがあります。ペーパー空間は印刷イメージそのままであると考えてよいでしょう。
- ペーパー空間にはモデル空間を表示させるのぞき窓のようなビューポートを複数設置できます。その中の表示尺度や見え方の方向等を任意に設定することが可能です。またデータ群をその種別毎に画層に分けておけば、ビューポート内で画層毎の表示・非表示の切替が可能となり、目的別の複雑な図面の作成も可能となります。
- このビューポート内処理を使いこなすには、Z軸を中心とする回転と、座標系(WCS、UCS)を理解しておく必要があります。
- 具体的な操作方法についてはプルダウンメニューか、こちらの リンクボタン からアクセスして下さい。
◆ 地層地質縦断図
- 上記ビューポート内処理をフル活用して細かな作業を繰り返せば、複雑で長尺の地層地質縦断図を作成することが可能となります。
- 基本的には、1)モデル空間上に想定ビューポート枠を連続的に設定、2)ペーパー空間でポリラインビューポートを設定してZ軸回転の後に1)の想定ビューポート枠にスナップする、3)2)の作業を繰り返す、4)3)で作成した複数のビューポートを見掛け一連の平面図のように連結する。断面図もほぼ似た操作で、ビューポート枠を連結配置する。
- 具体的な操作方法についてはプルダウンメニューか、こちらの リンクボタン からアクセスして下さい。
◆ カスタマイズ
- AutoCADは平面的なXY軸以外に、Z軸データまで扱える3次元CADですが、弊社では残念ながら『高機能なドラフター』としてしか使用できていません。そこでは使用頻度の高いコマンド群を1つのツールボックスにまとめ、画面左端の作図領域近くに配置しています。
- 使用頻度の高いコマンド群は全コマンド群のほんの数%です。数にして30個あまり、それらを1つのカスタマイズしたツールボックスに入れています。能率が飛躍的に向上するわけではありませんが、コマンドを探してリボンメニューをめくることはありません。
- 具体的なカスタマイズの方法はプルダウンメニューか、こちらの リンクボタン からアクセスして下さい。
◆ 縦横変倍図面の作成法
- 地質調査の取りまとめでは、図面の高低差の割に延長が長い場合、断面図の縮尺が縦横で異なる場合がよくあります。高さ方向は1/200で、縦断方向は1/1000に、といった設定が最も一般的です。
- 専用ソフトでは地質情報の各オブジェクトを自動的に変倍してくれますが、AutoCADは汎用ソフトですのでそうはいきません。
- そこで、変倍したい情報とそうではない情報とを分け、変倍設定できるようにそれぞれブロック図形化します。ここが肝です。
- 具体的な操作方法はプルダウンメニューか、こちらの リンクボタン からアクセスして下さい。
◆ システム変数について
- これまでのAutoCAD作図支援で触れてこなかった重要な事項があります。それはシステム変数についてです。AutoCADのシステム変数を理解するためには、システム変数毎に適用範囲が異なることを理解する必要があります。またその設定方法も異なります。
- 地質調査の成果取りまとめに際して、操作性向上に有効なシステム変数の項目や設定値など、具体的な設定方法はプルダウンメニューか、こちらの リンクボタン からアクセスして下さい。
◆ トラブル対策
- AutoCADを操作しているときに突然フリーズしたり、フェイタルエラーが生じて強制終了する場合があります。またDWGやDXFファイルが読み込めない、読み込めても何時も警告メッセージが表示される、といったことがよく発生します。
- これらの原因は、AutoCADそのもののプログラム上の問題、読み込むデータファイルの生成(開発)アプリの問題、フォーマットなどのデータの中身そのものの不具合、など色々存在します。
- 具体的な対策についてはプルダウンメニューか、こちらの リンクボタン からアクセスして下さい。
◆ 常用してきたAutoCADのバージョンについて
- 本年のAutoCADの使用バージョンに大きな変化がありました。前段に記したように、AutoCAD2018R(永久ライセンス版)から同2021LT(サブスクリプション版)への変更です。地質調査で使用するあくまで高機能ドラフターとしての機能には、変更バージョンが充分であると判断したためです。・・・そして、本項目の記述はいずれ削除する予定です。
- 過去の6〜7年前に常用していたAutoCADのバージョンは、AutoCADR2014、同R2008、同LT2008、でした。これら旧バージョンの平行使用の理由は、主にOffice2007のUIと同様なリボンメニューの使い難さの回避と、ライセンスやトラブル対策のためでした。
- AutoCAD2009以降のリボンメニュー導入以降も同2014までは、幸いにもクラシックスタイルのメニューが残されていたため、カスタマイズファイルを読み込んで馴染んだメニューを使用し続けていました。しかしながらクラシックスタイルのメニューは同2015で無くなりました。その結果同2014を使用し続けていた、というわけです。
- ですがリボンメニューの使用頻度の高いコマンド群は色々なリボンに分散しており、決して作業効率は向上しませんでした。。リボンメニューもカスタマイズ可能とのことですが、ハードルが高いです。どう考えても旧来のメニューバーの方が、カスタマイズのし易さと作業スペースの確保の両面から、優れています。