◆ GPSソリューション
- 地質調査実務の現場で使用を試みた、比較的廉価な各種GPS機器を主体にそれらの特性について概説します。加えて目的別のお勧め機種と実務に活かすノウハウを提供します。
- さらにGPS機能搭載が常識となった最近のスマホとの連携についても掲載していきます。
- 余談ですが、米国発祥のGPS以外にも、GLONASS(ロシア)、GALILEO(EU)、QZSS(みちびき日本)、BeiDou(中国)など多くの測地用衛星が飛んでいます。それらに対応したスマホも徐々に出回り始めまています。
◆ GPS機器(GPSロガー)の選定
- 機能的には地質調査時の現在位置を正確に把握できること、また踏査経路を再現できることが必須要件でしょう。機器選択のポイントは大きく2点、GPSチップメーカーと、GPS機器製品に仕上げている開発ベンダーです。前者が位置の精度に、また後者が使用時の使いやすさに影響を与えます。
- 現在位置を表示するだけの非常に小型のもの(廉価)から、地図上に現在位置を表示する(数万円とやや高価)形態まであり、その中から地質調査に適当な機種を選んでみたい。
- 因みに搭載されているGPSチップは、メディアテック社やSiRF社製のものが多いそうです。また最近のスマホにはBroadcom社のチップが搭載されているらしいです。
◆ ログデータの運用
- GPSロガー内に保存されているデータの内主要なものは、世界標準時、経度、緯度、標高(ジオイド)等ですが、この規格をWGS84と称しています。専門的でより詳細な情報が記載されたNMEA-0183という、国際規格のデータフォーマットもあります。
- 通常の使用を想定したGPS機器から取り出すログデータは、上項主要データをGPXやKMLという拡張子のファイルに書き出して利用します。これらのファイルは、XML形式の階層的構造を有するデータ群として記述したテキストファイルです。
- そして一般的に扱われ汎用的に利用されているGoogleMAPなどとの親和性が非常に良くなっています。
- 安直にそのデータを利用する方法もあります。プルダウンメニューか、この リンクボタン からアクセスして下さい。
◆ CAD図面への取込
- GPSロガーの添付ツールから取り出したGPXファイルを元に、その中の経度・緯度・標高のデータを取り出して、CAD図面に取り込むべくJGD2000(公共直角座標系)に変換する必要があります。
- WGS84の経緯度データからJGD2000の公共座標系に変換するための正式なツール・道具立ては、国土地理院内のサイトの「座標変換プログラム"trns96"」にあります。
- ですが通常連続した踏査経路、GPSロガーでいうところのトラッキングデータは連続しています。ですので上記変換をまとめて連続変換してくれる、フリーの公開ツールを使用します。
- 収録データの取り出し方法およびデータの変換方法はプルダウンメニューか、この リンクボタン からアクセスして下さい。
◆ スマホとの連携方法
- 最新のスマホでは高性能のGPSチップが搭載され、GLONASS衛星にも対応して、測位精度そのものは向上しています。
- AndroidスマホでもiPhoneでも、搭載GPS機能を利用したトラックログ収録アプリが公開されており、無料ないしは一部廉価(数百円)で気軽に利用できます。こうしたログデータを上手に取り出せば、実務に活かせる状況が見えてきます。
◆ KMZデータについて
- 第2項のログデータで記述したGPXやKMLはGoogleEarth上などに取り込んで表示できるので、いわゆるGIS情報(地理情報システム)として扱うことが可能です。しかもその方法は、ファイルをドラッグ&ドロップするだけという非常に簡単で実現できます。
- そうしたファイル以外にGoogleEarthの準標準ファイルとしてKMZファイルというものがあります。中身は位置情報のKMLファイルと、地図などオーバーレイ用のイメージファイルで、ZIP圧縮・合体されています。
- このKMZファイルの特殊な利用方法についてはプルダウンメニューか、この リンクボタン からアクセスして下さい。